-第四回- June 16, 2001
経済ってなかなかわかりづらい。とはいえ、Zephyr発行人としては、少しは世の中のことを理解しておきたい・・・ そこで、経験豊富、知識無尽蔵のさだやんを講師にお招きし、日頃から気になっていた疑問について、お答えいただきます。 -第一回-、-第二回-、-第三回-、-第五回-、-第六回-、-第七回-
今日はその第四回目、日本製品の優秀性についてお話を伺いました。
Q:先日はまた、5年ほど前にスイスで購入したドイツ製のテレビが突然煙を噴いてびっくり。修理に出したら、部品が手に入らないからと2ヶ月以上経ってもまだ直ってきません。 電気掃除機は重たくて音が大きいし、細かな使い勝手が日本製と比べてかなり悪い気がします。洗濯機に至っては、構造上一度スイッチを入れてしまったら途中で開けられないため、間違えていろ落ちするものを白物と一緒に入れてしまった場合など、目も当てられません。一度にたくさん洗えて水の使用量が少ない、衣類がもつれないなどのメリットがあるものの、全行程で通常2時間、短いサイクルでも1時間かかり、日本式の気楽さが懐かしいです。 総じて、電化製品は日本製の方が優れているような気がしますが、実際はどうなのでしょうか。また、日本には大変優れた技術を持った中小企業が頑張っているという話を聞きました。そのあたりのことを教えて下さい。 |
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A: 家電製品に限らず、一寸した身の回りの品は、日本製のほうが遥かに優れているものが多いですね。文房具なども、その典型です。 又、基本的に、日本は家電分野は競争が熾烈なこともあり、メーカーは必死で、次から次へと新製品を出しています。 極端なケースとしては 売れるアテすらなく 'オレはこんなことが出きるゾ'といいたいだけの為に製品を出すこともしばしばです。 又、一寸ユニークなものがでると、他社全員が 右に習えの姿勢をとるのも、日本の特徴です (最近は韓国、中国がそれ以上に極端ですが) さらに、日本の場合、韓国・中国に比べ徹底したコスト高ですから、同じ商品でもアイデアを導入しないと売れないことも事実です。 そういった苦労が 比較的少ない欧州のメーカーが 日本ほど新商品開発に工夫を凝らさないのはあたり前のこと。でも、日本とは 電気規格、容量などが異なる為、じゃ、輸入しようといっても、現実的には、全くコスト的に引き合わない... というわけで、我慢するしかないのが現状です。 |
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Q: そうですか、せっかく優れた技術を活かした製品が存在するというのに、残念な話ですね。 日本と規格が違うといえば、電圧が違うため、日本の製品はいちいち変圧器を通さなければならず、これも厄介ですね。 |
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A: 政府も 欧州の 220wts に仕様を変更しようと考えたことは デノミと同じく、何度もあるのですが、関連コストがデノミ以上に膨大となるので、実現していません。 日本の中小企業は、スイスと並んで、その技術規模は世界一です。小生は、このテーマで何回も講演したり、資料を作成したりしております。 御参考までに以下をご覧下さい。 【スイス・日本ハイテク比較論】 |
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経済活動の成り立ちは、つまるところコストの問題と言い換えてもよさそうですね。 さだやん先生のお書きになった「スイス・日本ハイテク比較論」を読むと、日本にも優秀な技術を持つ企業がたくさんあることが分かりました。「国際化はまさに存亡を賭けた急務であり・・・」とお書きになっていらっしゃるように、政府はこうした優秀な企業が発展できるような環境を一刻も早く構築してほしいものです。 ありがとうございました。 |
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