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Q:小泉内閣メールマガジン8月9日/16日合併号で、塩川財務大臣が、「この夏の猛暑のおかげで消費が伸びた分野がある」という話をしていました。消費が伸びる=景気がよくなる=経済がよくなる、単純に言えばこういうことでしょうか。
この夏は暑かったから電力消費が伸び、冷房が売れたわけで、その意味では、必要があれば人々は物を買い、消費するわけです。このところ消費が上向かないのは必要がなかったからとは言えませんか。 |
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A: 日本経済の実態は、先日、日銀が一兆円の銀行券をジャブジャブ発行しても、一向に消費向上効果なく、一日後すでに円高という逆の現象を生じた訳ですから、一時的な消費の伸びはあまり意味はないでしょう。その意味で、まさに日本の状態は建国以来、最悪といえます。
他方、忘れてはいけないのは、日本国民の貯蓄率は依然世界のトップレベルをいっており、650兆円の資産がころがっている点には変わりないわけで、本当に必要なものがあれば、国民は買うでしょう。 |
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Q: これまで「生めよ増やせよ」とばかりに、物をどんどん作り、人々もそれをどんどん買い、道路や建物を作り続けることによって経済がまわっていたのだとすると、これも砂上の楼閣かバブルのようなものと言えませんか。 |
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A: '必要でないものをどんどん。。。'という現象は 資本主義である以上、ストップするわけにはいけませんよね。そこで、例えば環境問題であれば、ドイツのような徹底したリサイクル義務で 規制する方法があるわけで、此の点だけについていえば、日本はドイツほどではないですが、あるていどのハードルは一応出来つつあるようです。
公共設備については、これは小泉内閣が 一応は大幅カット、他の部門への予算流用を選挙で公約していますが、党内の既得権を守ろうとする1派の抵抗が根強く、どこまで実行できるか 現状一寸おぼつかぬ状態です。 |
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Q: なるほど、国家予算の無駄使いを防ぐことができるといいですね。
これまでは「電力消費が伸びれば電力会社が潤う、冷房が売れれば家電メーカーや小売店が儲かる」、これでよかったのかも知れませんが、天然資源には限りがあるし、冷房装置が増えればそれだけ地球温暖化を促進し、結果的には歓迎できることとは思えません。
消費しない経済、みんなが無駄を省くことで、限りある資源や国家予算を有効に使うような、これまでとは全くちがう考え方はできないものでしょうか。
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A:これは まさにリオの世界環境開発会議(1992)の決議内容そのものですね。御承知のように、米ブッシュ政権は、カリフォルニアのエネルギー危機などを口実にこの批准に反対し、日本も政治的理由からこれに追従しています。 従って、御指摘の点を実際に考えている人は世界の各地に多々いるわけですが、実現度については 純政治的要因が絡むだけに、そしてそれは米の意向如何、ということですから、なかなか難しい面がありますよね。 |
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単純な話ではないことがよく分かりました。国家的な規模では無理なことでも、私達一人一人が気をつけていくことで少しでも状況が改善されることを願いましょう。どうもありがとうございました。 |
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