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【今日のテーマ】
オランダに4年もいて、オランダ語が話せないイライラ (Aug 23, 2003)

隣のリアとはよく話をする。年代が近いこともあって共通の話題も多い。知り合った当初は英語で会話することが当たり前だった。彼女はよく喋る。立て板に水のごとく英語が口を突いて出る。私は太刀打ちできない。それでも共通の言語があるだけましか、と私は納得していた。1年経ち、2年経ち、そのうちこの私がオランダ語で話ができるようになると思っていたらしいリアは、ある日「オランダ語を習っているって言ってたけど、ほんとう?じゃ、どうしてしゃべれないの?」と言った。

あぁ、そんなこと言われたってなあ。

ヨーロッパ語族とは発音も文法もことごとく違う日本語を母国語としている私たちが、英語を話せることだけでも並大抵の努力ではないのに、そこへ持ってきてオランダ語を話すことが如何に容易ならざることなのか、どうやってリアに理解してもらえるだろうか? 確かに大抵のオランダ人は英語を苦もなく話す。文書がオランダ語のみで困るけれど、普段はほとんど英語で通じてしまう国だ。ドイツやフランスなど、英語が通じない国とはだいぶ様子が違う。だからといって彼らが何の苦労もなく英語を話せるようになっているとも思えない。

「オランダ語はオランダとベルギー以外ではほとんど通用しないから、どうしても英語が必要。だからみんな必死で英語を学んでいるのです」とオランダの人は言う。私たちだって必死で英語を学んでいる。だけど、結果は惨憺たるものだ。「オランダ語は話せない、英語だってこの私より下手じゃないの、へーンなの!」

そんな風に言われたくないなあ。
外国語を何カ国語も操れる人はヨーロッパにはたくさんいる。そんな人を見るとただただ感心するばかりだが、操れる言語の数が少ないというのは、ヨーロッパで暮らしていくのにはやはり不利なんだろうか。
日本での英語学習熱は高まるばかり。文科省もいよいよ小学校からの英語教育に本腰を入れるようだ。今や世界の共通語の体をなしてきた英語だから、国を挙げて推進するのはよいことなのかも知れない。だが、英語が出来たからって何なのよ、という人たちがここにいる。言葉に関してまともには太刀打ちできないような人たちがここにいる。だからこそ、英語教育が終着点であってはならないと思う。英語が出来るに越したことはないけれど、もっと別の角度から、日本人らしさ、例えば言葉は出来なくても思いやりは人一倍とか、そういった優れた特質を磨いていった方がいいのではないだろうか?
Mエクアさんから感想をいただきました。私と外国語と題して次のページに載せましたので、是非読んで下さい

「ヨーロッパでは・・・」「○○の国では・・・」 常によその国での取り組みが引き合いに出されるのは何故? (July 18, 2003)


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