アネーゴの言いたい放題 | これからの日本はどうなるの? |
アネーゴの談話室の読者の皆様、本当に長い間ご無沙汰しました。仕事が忙しかったとか、体調を崩したとか、言い訳はいろいろあるのですが、「せっかくバグママが用意してくれたコーナーなので、ここでは教育問題以外は語るまい。」等と気負って恰好をつけているうちに、原稿を書いては捨て、書いては捨ての日が続き、あの9/11のテロ事件、勃発。その後も新聞が旧聞となり、週刊誌の記事が月刊誌なみに遅れてしまうほどの目まぐるしい世の中の動きに茫然自失状態で、気づけば時間ばかりが経ってしまったという次第です。先日、バグママから「アネーゴの談話室、どうしようか。」というメールをいただき、やっと時が経ちすぎた事に気づいたような訳で、お恥ずかしい限りです。 バグママが小泉政権についてアネーゴ流に書いてみたら?という提案をくれなければまだまだ「教育問題」に拘っていたかもしれません。アネーゴ流に言いたい放題言い放つ場所が出来たと思えばこんなにうれしい事はないじゃないかと、「目から鱗」状態でした。 バグママは、メールの中で「世の中のほとんどの人達が、もう小泉改革は無理だろうなと内心、思ってるでしょうね。私も断行してほしいけれど無理だよなぁと、考えざるをえないのです。それじゃ、困るんだけどね。」と、書いておられましたが、天の邪鬼のアネーゴは、そうは思っとらんのですヨ。小泉さんが政権を担った時から今度のこと(田中女史の更迭)も何パターンかのシナリオの一つに入れていたんじゃないかと、穿った見方をしているのです。それも、田中女史を死に体にしないで、後々返り咲かせる事も計算の内ではないかとね。(田中女史のパワーと人気は捨てがたいし、本当の意味で更迭するなら、あの指輪事件の時にすれば立ち直れないほどのダメージを与える事が出来たんだしね。) 小泉さんという御仁、なかなか強かでして、ちょっこらちょいとで、音を上げるお方では無いと思うのです。あの細身と細目の見てくれに騙されてはいけません。バネの様に強靱な肉体と鋼の様な精神をお持ちだとアネーゴは診断します。大体、小泉政権誕生からしてが、通常とは全く異質。本来なら派閥間の根回しで本人も周囲もヘトヘトになり、いざ、政権を取った時には疲れ果てて、抜け殻状態というのが、今までの総理総裁でした。しかも、根回しの段階であちらこちらに借りが出来、それが柵となって、身動きが取れなくなって自滅するというのが短命内閣の構図だったと思います。しかし、小泉氏は国民に押し上げられて総理総裁になったのですから、労力も使ってないし、柵も全く無いのです。 「構造改革」というさっぱり意味が掴めないお題目を事あるごとに唱えるだけで、何も中身を明らかにしてこなかった小泉流のやり方に、周囲のマスコミがじれて、勝手にあれやこれやと中身を憶測し、いつのまにか「構造改革」の中身が見えてきたと錯覚させられた国民は解った様な気分にさせられているだけなのではないかなと、疑いたくなる時もありました。案外、当の小泉氏は中身なんぞ、大まかな骨子だけ決めて、後は成り行きまかせなんて事だったのかもしれないと、考えてしまうアネーゴなのです。 突然ですが、「日本の政治の悪い所はどこ?」と質問されたら、今現在、誰もが口にするのは「官僚主義と族議員」の存在ではないでしょうか。田中女史、更迭の一連の騒動で浮き彫りにされたのは、外務省の官僚主義と鈴木宗男議員と外務省の癒着でした。アネーゴは国民にこの点に目を向けさせたのも、小泉さんの仕業と考えとります。 田中女史を外務大臣に任命した時から小泉さんが女史に期待していたのは、まともな外交でも自分の片腕になってもらう事でもなかったのだとアネーゴは推測するのです。派手好きでパフォーマンス好きな田中女史が外務省という官僚主義の権化の様な中をゴチャゴチャ引っかき回し、官僚達の病んでる部分を白日の下に引きづり出して、国民の目に晒してくれさえすれば、それでよかったのだと思うのです。彼女が人事に拘ろうと、失言しようと、そんなことは小泉氏には痛くも痒くもなかったはず。彼女がマスコミにバンバン露出して派手に動き回ってくれればそれで良かったのです。その陰で小泉氏は若手の石原ノブちゃん大臣を使って特殊法人改革を深く静かに進行していくという、離れ業をやってのけたではないですか。 彼が本当にやりたいこと、それは「特殊法人の解体と郵政三事業の民営化」ではないかとアネーゴは推測しております。しかし、最初からこれを全面に押し出したのでは、いわゆる族議員に潰されるのは目に見えていた。だから、田中女史をスケープゴードにして、その陰で静かに進行していたのだとアネーゴは考えとるわけです。 小泉氏のお題目には「構造改革」だけでなく、それに伴う「国民の痛み」というのもありましたね。この呪文が国民の中に浸透した頃を見計らって彼は医療費の3割負担を来年の4月から実施するとぶち上げました。国民の反発をもろに受けるかと思いきや、「赤字国債を発行しないので財源が不足するなら、これも小泉さんの言う痛みの内で仕方ないんじゃないの。」と何でも反対する野党よりも、ずっと冷静でお利口な反応が国民から返って来たではありませんか。 逆に世論の中から湧いて出てきたのが、「ワークシェアリング」という考え方。失業率を減らす一つのやり方として、バグママの居るオランダではすでに導入され、成功している方法ですよね。アネーゴもこれは日本人にもできるかなって以前に感じた事あるんだけど、今、地の底から湧き上がって来たって感じで浸透しつつあるのはうれしい限りです。日本という国の将来を真剣に国民が考え始めた証ではないかとさえ、アネーゴは思っとります。 少々話が横道に逸れましたが、小泉氏が政権を担った時の80%〜90%という支持率がそもそも異常なのであって、それが50%台になったからと言ってどうだというのでしょう。歴代の総理の中では、充分政権維持ができる支持率だったはずです。それが今回に限って出来ない、もう駄目だと言うのは小泉氏に対しても、彼を最上段に押し上げた我々国民に対しても失礼な話ではないですか。 元々、小泉さんは逆境に強い男で少々の事でへこたれる玉では無いと思うのです。あの御仁は一年生議員の時から一人で時の権力と戦っても、一歩もひけを取らなかったという輩なのですから。2月14日号の週刊文春に小泉総理の首席秘書官の飯島勲氏のインタビュー記事が出ています。むろん、身内という事を考慮し、その分を差し引いたとしても、支持率の低下ぐらいでボシャる男ではなさそうです。飯島氏曰く「小泉は妥協しない。だって、一年生(議員)の時に一人ぽっちで田中金権打破とやったり、守旧派と言われても小選挙区反対を延々とぶったんだから。あの小沢一郎先生(現自由党党首)の絶頂期に、国際貢献税に党税調で反対してつぶしたのが小泉じゃないですか。政治生命なくなるぞ、とみんなに言われましたよ。でも、絶対妥協はしない。妥協したら終わりです。 国民はよく見てますよ。一過性で怒ることは怒る。じゃ、小泉を辞めさせてこの人を総理総裁にして下さいという声がありますか?小泉が辞めたら、この国はどうなるかという気持ちが国民にはあると思います。」 そうなのです。小泉氏が強いもう一つの理由がこれ。つまり、彼の代わりになる総理総裁候補が全く居ないという事なのです。彼は例え支持率が30%を割ったとしても、怯まず、今までと同じ事を言い、前進するでしょう。支持率が低くなったことで抵抗勢力が強まったとしても、伝家の宝刀である「解散」をちらつかせながら前進するとアネーゴは考えておるのです。こんな小泉さんを支持しなければ日本人では無いと思いませんか。アネーゴは今こそ、国民が小泉氏をバックアップしてやらねばと心から思っとります。そして、小泉氏には運もしっかり味方をしているとアネーゴは思うのです。あの狂牛病問題が勃発した時に小泉さんは責任を取って辞職していても誰からも文句が出る状態ではなかったはずなのに、アメリカのテロでそんな話は吹っ飛んでしまったのですから、運が良い、いや、運までも味方にしてしまう強運の持ち主なのだとアネーゴは思うのです。 最後にあえて苦言を呈すれば、バグママを始め、海外で生活をしていらっしゃる日本人の方々にお願いがあります。そういう方々から、大使館職員や、大使館そのものへの不平不満を耳にすることが多いのですが、今も彼らも大使館自身も変わっていないのでしょうか。そういった現地での外務官僚達の公僕とは思えないふるまいや言動を国内に居る我々は全くといってよいほど耳にしたり、目にしたりするチャンスがありません。外務省のノンキャリの課長がホテル代を水増し請求したの、ハイヤー会社との癒着があったのと、いう話が精々です。海外での奴らの悪行の事実をもっともっと、我々、日本に居る国民に知らしめてほしいのです。せっかく田中女史が叩いて埃を出しかけた外務省に本来のしっかりした外交をやってもらう為にも、川口外相に頑張ってもらうのはもちろんですが、民意の声を盛り上げる必要があると思うのです。現実に野上某なる、元事務次官がアメリカ大使か国連大使に転出するという噂があります。やくざの様な族議員に牛耳られ、反発もできない馬鹿なエリートを日本の代表として海外に送り出すなど、もってのほかだとアネーゴは怒っておるのです。でも、辞めたら、退職金は、8000万円以上だって言うし、伏魔殿の中に巣くったダニ達はどうすることも出来ないのでしょうか?我々の税金がまた、無駄に使われるのだと思うと、本当にはらわたが煮えくりかえる思いです。皆様はどう思いますか? 追伸:本日、国会の予算委員会で田中女史と宗男氏が参考人招致という形で証人喚問されるという珍事が起きました。その中で真紀子女史は「(小泉氏が)前へ進め前へ進めって言うから前へ進もうとしたら、スカートの裾を踏んづけている奴がいて、前へ進めない。誰かと思って振り向いてみたら、前へ進めと言ってるご本人だった。」という、小泉さんを攻撃する答弁をしていましたが、これもアネーゴ流に言えば、小泉・田中の出来レースだと思うのですよ。これを真紀子女史の小泉政権と決別の言葉だとマスコミが騒いでいる間に、当の小泉さんがどんな秘策をぶつけてくるか。アネーゴは楽しみに待っている次第です。 (Feb. 20, 2002) |