このウェブサイトを作ったきっかけ
24年前、夫の転勤で初めて日本を離れ、それ以来、出たり入ったりしながら通算17年を海外で送ってきました。初めての外国暮らしはトルコのアンカラから。このトルコ共和国の首都には日本人が30数家族住んでいましたが、周囲はトルコ人ばかり。慣れない土地で、乳飲み子を連れて、言葉も分からず、右往左往しながら暮らしていました。トルコの人たちは一様にとても親切で、私たちを温かく迎え入れてくれました。暮らしぶりは違っても、言葉や習慣は違っても、人の心は通じ合うということ。それを気づかせてくれた人たち。温かい心をたくさんもらって、感謝する一方、私の背中にくっついてくる「祖国日本」について、考えないわけにはいきませんでした。今でも、家族や友人のいる日本は私の大切な心のよりどころです。
情報化が進んで、遠い日本の様子もたちどころに知ることが出きるようになり、嬉しいニュースより残念だなと思うことの方が多いのが気になります。私のイメージする日本からはすっかり変わってしまったようにも見えます。

世界中で日本のSUSHIがブームになっていますが、ヨーロッパでもSUSHIだけでなく、多くの人たちがこれまでの西欧文化の欠点に気づき始め、それを是正してくれる文化の発祥地としての日本に注目しています。この辺で、私たち自身もきちんと日本について評価し、世界に向けて誇れる祖国を持ちたいと思います。

ヨーロッパやアメリカのたいていの地図に載っている日本は右の端にちょこっと納まっている小さな島でしかありません。でも、世界をリードして行くほどの重みを持つ国になりました。(主に経済面産業面かも知れません。それも最近は陰りが見えるとは言うものの。)何もヨーロッパやアメリカと同じになって欲しいと言うつもりはありませんが、常に世界を見据えて自らの位置づけをしていく以外に、これからの日本の道はないと思います。

日本の人たちはとても忙しそうです。周囲で起きている事柄に気を配る余裕などなさそうです。時々立ち止まって、深呼吸をしてみるのもいいかも知れません。そのような折りに、この『Zephyr』が、フレッシュな気分を呼び起こすそよ風になれたら良いなと思います。世界中のニュースをお茶の間で即座に入手できる時代になったとはいえ、ニュースには上らない貴重な意見がもしかしたらこの『Zephyr』の中につまっているかも知れません。それはあなた声です。 (Jan. 22, 2001)

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