Kumiko’s EYE ‐3‐ 

Kumikoさんは6年半のオランダ暮らしの後、ご主人の転勤で日本に戻りました。
元の古巣に帰ったとはいえ、すっかりオランダ暮らしが板についてしまったKumikoさんの目に、日本はどんな国に写ったのでしょう

27 Oct 2002Kumiko 秋晴れ!
この季節、日本ならではの最も美しい時かもしれない。
冬の気配を何処かに感じながら、一歩一歩近づいてくる寒さに身を引き締めるのである。
春を迎えるうきうきとした軽さとは違い、しっとりとした落ち着きを感じる。
酷暑から解放された喜び。
この時期、一番活動しやすい時かもしれない。
じっとしていられず、色々なことに意欲的となる。

先週イギリス・オランダへ絶滅しそうな蝶のことで研究者に会ってきた私の弟が、まず吃驚して話してくれたことは、”オランダの蝶の研究者と初めてメールで話しただけなのに、家に招待してくれて夕食まで御馳走してくれたんだ。まだ小さい子供がいるお宅なのに・・・”と。
日本ではあまり考えられないことだ。
外国人は日本の人達に比べ、簡単に家に招待するように思う。
突然の訪問でも日本人より快く受け入れてくれるような気がする。
それは何故? どうしてなんだろう!
私が考えるに、日本人というのは比較的格好を気にする人が多いと言うこと。
訪問される方は、家の中が整然としている状態で迎えいれたいと思うがために突然の訪問を迷惑がる人が多く、また訪問する方もその家がどんな家だったか気になる人達が多いためではないか。
オランダではどのオランダ人も皆訪問することをとても喜んでくれ、ハートとハートの付き合いだった。
家の中がどうこうより、食べ物や飲み物があろうとなかろうと、会話を楽しんだ。
日本は綺麗に片付いた部屋に通し、御馳走を並べることで満足な接待が出来たと勘違いする人達。
だから突然の客をいやがるのだ。
昔からお客の接待は妻は台所で御馳走を作ること、男の人は御酒を進めながら場を盛り立てると言う分業のような形が当たり前のようだった。
外国人との付き合いで本当の接待、付き合い方を教えられた。
御馳走を必死で作る事より、夫婦でテーブルに着くことの方が何よりの接待だと言うことを。

愛情表現を物に置きかえる家をよく見かけることがあるが、こんな所にもあらわれている。
人の心を大切にしたいものだ。